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認知症の症状って、なにがあるの?
風邪の症状で思いつくもの、といえば?
ーーくしゃみ、鼻水、鼻づまり、セキ、熱、だるさ、etc.
認知症も症状があります。さて、どんな症状があると思いますか?
物忘れ、徘徊、それから?
さて次は、風邪の種類による症状を挙げてください。
感染性胃腸炎は? (下痢、嘔吐、熱など)
インフルエンザは? (高熱、関節痛など)
ウィルス性咽頭炎は?(のどの痛み、頭痛、熱など)
では、認知症の種類による症状は?
認知症の種類については、この記事を参照してください。
つまり、風邪とひとくくりに言っても、風邪の種類によって症状が違うように、認知症も種類によって症状が異なります。
ここではその、認知症の種類によって異なる症状を見ていきます。
症状を知ることで、対処や介護の助けになると思います。
アルツハイマー型認知症の症状
加齢と共に脳が変化すると、ある事柄を詳しく思い出せなくなることがあります。これが老化による物忘れ。
アルツハイマーだけでなく認知症の場合は、物忘れが日常生活に支障をきたすほど深刻だったり、その他の症状を引き起こしたりします。それは加齢で自然に起こるわけではなく、脳の神経細胞の委縮による障害ということになります。
そんなアルツハイマー型認知症の主な症状は、
- 普通にできていたことが、できなくなる
- 問題を解決することが難しくなる
- 気性や人格が変化する
- 人や家族など、人との関わりをやめてしまう
- 書面や会話でコミュニケーションがとれなくなる
- 場所、人、できごとに混乱する
- 視覚が変化するため、画像の理解に問題が起こる
などです。
今では治療方法も進んでいるし、また忘れても対処できるような工夫をこらしている人も大勢いるので、アルツハイマー型認知症と診断されてもひどく悲観することはなくなっています。
レビー小体型認知症の症状
初期は特に症状が目立たず、良い時と悪い時の差が大きいのが特徴です。
主な症状は、
- 注意力の低下や視覚認知の障害
- 実際には見えないものがみえる
- 歩行や動作などの障害
- 大声で寝ごとを言う、寝ながら動く
など。
なんだかすり足でチョコチョコと歩くようになったなとか、よく転ぶようになったとかはパーキンソン病(または症候群)なども疑われますが、目の前に小さい虫がたくさんいると言って手で払っていたり、夢遊病者のように寝ながら歩いていたら、レビー小体型の認知症かもしれません。
前頭側頭型認知症の症状
- 万引き、身だしなみに無頓着になるなど、社会性が欠如する
- 自分に対して抑制が効かなくなり、相手を傷つける(言葉や身体的に)
- 同じ時間に同じ行為を毎日する
- 感情が鈍くなる
- 相手の言葉をオウム返しするなど、自発的な言葉が出にくくなる
- 発症後6~8年で寝たきりになる
実は家族や介護職がとても対応しづらいのがこのタイプ。なぜかというと、今までキッチリしていたお父さんがお金を払わずにお店のものを持ってきてしまったとか、いきなり暴言を吐くとか。最初は本当にびっくりします。
でもこのタイプの認知症だと判っていれば、周囲が対処することで本人も落ち着いて生活することができます。
血管性認知症の症状
何らかの障害を受けた脳の血管が、酸素を送り込めずにその部分が損傷するために、認知機能が損なわれるのが血管性認知症。そのため、脳のどの部分が損傷を受けたかにより、症状が異なります。
- 障害のない脳もあるので、できることとできないことの差が大きい
- 麻痺などの障害を伴うことが多い
- できないという自覚があるため、うつ症状やなげやりな態度もある
- 感情失禁がある
介護現場でケアしている中で、特に左上下肢麻痺の方がこのタイプでした。脳の右側は考えたり感情をつかさどる役割を持っているのですね。
で、受け答えは普通だと思ってしゃべっているのに、ちょっと前にやったことが分からなかったり、折り紙は昔よくやったのよと言う人ができなかったり。トイレに行こうとして車いすを自走してきたのに、途中で誰かと話したら何をしに来たのか忘れていたとか。
正常圧水頭症の症状
- 歩行障害
- 認知症
- 尿失禁
小刻みですり足歩行はパーキンソンかな、と思いますが、意欲の低下や物忘れなどの認知症状と尿失禁が特徴的なので、知識さえあれば正常圧水頭症だとわかります。これは治療すれば、支障なく生活ができるようになります。
慢性硬膜下血腫の症状
転倒などで脳と脳を覆っている膜の間に血がたまり、脳が圧迫されて認知症のような症状が出ます。
- 物忘れ
- 歩行障害
- 尿失禁
正常圧水頭症と同じですが、頭に衝撃を受けたことがあれば、慢性硬膜下血腫を疑ってみると良いと思います。見た感じは普通なのに、思い出せなかったり何かができなくなっていたり。
血腫を取り除けば正常に戻ります。