証券会社が高齢者の「御用聞き」サービス開始

裕福な高齢者を相手にするビジネスがある

団塊の世代が高齢者になると介護職員が不足する、という調査結果が世を賑わしていますが、高齢者が増えても介護が必要な人ばかりではありません。現に私の父も元気で暮らしています。中には現役で働いている方々もいます。また、定年退職して余裕をもって生活している方々もいます。

日々の生活は年金でまかなえる場合は、退職金やそれまでの貯金を信頼できるところに預けて、運用したいと考えている人たちにとって、”信頼できるところ”というのは銀行か郵便局か証券会社か・・・金利が0.1%などという今、家においておく方が安心かも。

でも金融機関は”裕福な高齢者”相手のビジネスはおいしいと考えているみたいです。

その一つが証券会社の”御用聞き”

株式や預金、土地などを持つ人は、亡くなると資産は家族が相続します。つまり、裕福な本人と付き合うだけでなく、その継承者とも続けて取引することを考えるのがベターですね。

そこで大手証券会社はグループ内の金融会社と連携し、死亡する前後に、相続人に資産を移す手助けを始めました。証券会社本来の株式の口座移管や相続税が有利になる保険商品の販売業務だけでなく、遺言作成や土地の相続を関連会社につなぎ、手数料収入を得るそうです。

そこで大事なのが”信頼関係”。車や家など大きなものを購入するときアテにするのは情報と知識と自分のカンと、担当営業氏との信頼関係ではないでしょうか。少なくとも私はそうでして、特に営業氏の態度を重視します。

おカネという実に個人的で繊細な問題を託すときも、やはり担当者を信頼して任せるのが普通でしょう。さて、その信頼関係をどのように築くか。

7月26日の毎日新聞に、

大手証券会社が高齢の顧客に特化した営業担当者を支店に配置し始めた。営業といってもリスク商品の販売は主体的には行わない。何でも相談に応じる「御用聞き」に徹し、高齢者やその家族と信頼関係を構築することで、相続関連など高齢者ならではの需要を取り込むのが狙いだ

毎日新聞7月26日

という記事がありました。

証券会社の窓口や、自宅を訪問する職員が、特に金融商品を勧めることなく、何でも相談に乗る。時には旅行の話だったり、またあるときは孫の話だったり。時間をかけて丁寧に相手の話を聞くことで、信頼関係を築き、”高齢者の代だけで終わらせず、次の世代とも取引を続けていくことを目標” としています。

短期的な利益を追わず「じっくりと信頼関係を築いていくことが重要」(野村の片岡一浩・部店サポート部課長)

毎日新聞7月26日

という言動の裏には、強引な商品売込みや説明不足による高齢者とのトラブルが問題となった件があるからです。また、

日本証券業協会は2013年、75歳以上の高齢者に商品を販売する場合、担当者とは別の役職者が投資の意思や健康状態を確認し、会話を記録するルールを設けた。煩雑な手順やトラブルを避けようと、営業担当者は高齢の顧客への接触を避けるようになった

毎日新聞7月26日

そうです。

でも資産のある高齢者との取引はしたいですよね。そこで「御用聞き」が誕生したというわけです。担当者が親身になってくれたら気持ちよく依頼ができますよね。

介護職は御用聞きのプロです

ところで介護士はケアをするにあたり相手と信頼関係を築くことが一番重要とされています。コミュニケーションの基礎は傾聴・受容・共感。自分の思いを押し付けるケアをしてはいけないし、相手のことを知らずに相手の生活に入ることはできません。

相手がどういうことを望んでいるのか、そのためには何をすればいいのか等、よりよい支援ができるような知識と技術を身につけているのが介護のプロです。

だからこの記事を読んで思ったのは、介護職って、現場でケアするだけではなく、こういう場面でも活躍できそうですね。もちろんこの場合は証券とか資産運用とかの知識を持たなくてはいけませんが、その人がその人らしく生きるための手伝いをする技術を身につけていますので、どこででも活躍できる、立派な仕事だなー、とつくづく思います。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする