介護離職を考える

毎日、仕事と育児と介護をこなす女性

介護職の知人たちの多くに、仕事と育児と介護をこなすスーパーウーマンが何人かいます。疲れたと言いながらもちゃんとこなしていて、ホント、尊敬します。

ただ、いつ子供や親の預け先から呼び出しがくるか分からないし、実際そういうコトも多いので、彼女たち自身が遠慮してフルタイムで働く機会を泣く泣く放棄しています。要するにパート勤務で、正職員と同じ時間・同じ職務でも給料が安いけれど、休みやすさをとらざるを得ないんですよね。

保育園から呼び出しが来たら真っ先にお母さんの方に連絡がいきます。なぜお父さんに連絡しないのだろうと、電話を受けるたびに思います。お父さんは重要な仕事を任されていて途中で抜けられないから? ではお母さんは重要な仕事をしていないのでしょうか?

2017年に公表された「就業構造基本調査結果(総務省)」で、未就学児を育てる家庭の家事・育児時間は、正規雇用の男性では1時間未満が最も多く37.1%、女性は「6~8時間未満」15.8%、「8時間以上」26.7%。正規で働いても4割強が1日6時間以上の家事・育児を担っているそうです。8時間働いて、6時間の家事・育児をしていたら残り10時間。通勤、睡眠でゼロになると思いますが、じゃあ妻に余裕がない分、夫が外で働いているとして、給料は妻より段違いにいいのでしょうか?

もうひとつ、介護に関しての調査結果もあります。ふだん家族の介護をしている者は女性が63%、男性が37%。また正規で働きながら介護している日数は、「週6日以上」が女性は約3割であるのに対し、男性は約2割。介護を担っている女性の年齢層をみると、40歳未満が8%、40歳代が14.7%。女性介護者の5人に1人以上が49歳以下とのこと。その年代って、子育て真っ最中です。これを立教大学の湯沢教授は毎日新聞(7/18)で”ダブルケア”と言っています。

減らない介護離職

次に離職者を見てみると、「介護・看護のため」に離職した人は9万9000人。5年前の調査時とあまり変わらず。

さらにさらに、離職者の内訳を性別でみると、女性が約3分の2。そして約4人に1人が49歳以下。ちょうどダブルケアの年代ですね。うーん、夫は何をしているんだろう。

誰かをケアするのは女性の無償の仕事、と何となく刷り込まれてきています。だから育児も介護も妻が担っているケースが多くあります。それなのに政府は「女性が労働力として活躍する場をつくる」なんて政策を打ち出していますが、保育所や介護施設をいっぱい作ればすむのでしょうか。

「介護離職」に関しては厚生労働省も毎年調査をしています。そちらは特に独身の男性が介護のために離職せざるを得ない状況が見えます。また、安心して仕事をするために子供や親を預けるための施設は、肝心の職員が家や職場の問題で離職せざるを得ない状況にある、ということも調査からわかります。

介護離職の実際

そういえば働き盛りの職場の同僚たちが、育児・介護のダブルケアを担っていて、さらに仕事でも介護をしていることを忘れていました。本当なら元気いっぱいのはずが、この暑さも相まって、休憩時間や終業時間にはグッタリと「疲れた・・・」と呟く。大変だな、と思うけれど、私たちにできるのは、彼女たちの子供が体調不良とか親が入院して休まざるを得ないときに、こっちは大丈夫だから安心して休みなさい、と言ってあげることだけ。

さらに何と男性の介護離職の例もけっこう知っています。育児離職は聞いたことがないけれど、独身男性が、同居している両親が同時に健康を損ねて介護が必要になって仕事を休むことが多くなり、両親の死で、何かがプツンと切れたのか、離職した人もいます。

介護休暇って本当にとれるんでしょうか。

休みをとる権利はあるのに、実際に休むと嫌な顔をされるし。

あと、女性は子供の保育で仕事を抜けることが多くなると、これもまた嫌な顔をされる。特に人手が足りない介護の仕事では、もとから余裕がないのに、追い打ちをかけるようにメンバーが一人抜けるとちょっとした打撃。職場に託児所があっても、病児保育をしてくれないところが圧倒的に多いので、やはり休むことになります。

人手が足りない、女性の活躍の場を設ける、保育所を増やす、介護予防するシステムを作るーー今は育児・介護ケアをしていても働きやすくなる世の中への過渡期なのでしょうか。それとも実を伴わない政策やシステムしか結局はできないのでしょうか。

高齢者が多くなっていくのに、先行きとっても不安になりますね

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