メタボとは

メタボリックシンドローム

メタボとは生活習慣病を引き起こす大きな要因のひとつで、正式にはメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)といいます。

1999年にWHOが提唱したもので、血糖を抑えるインスリンが効きにくくなる「インスリン抵抗性」や糖代謝異常がみられると メタボ と判断されました。大雑把に説明すると、これらの値が異常だと体内の糖が多い状態なのです。余分な糖は体内に残ったり、脂質に変化するんですよ、知っていました? お腹がぽっこり出ているのは、もしかしたら分解される以上に脂が残っているせいなんじゃない? それってメタボ? というわけです。だから腹囲の異常もメタボを判断する要因の一つになります。

その後研究が進んで、日本人はメタボでも、欧米人ほどお腹ぽっこりには見えないじゃないか、ということで、現在は腹囲、BMI、高血糖、高血圧、高中性脂肪で総合的に判断するようになりました。これらの値が高いと、内臓についた脂肪が多いぞ、とわかるらしい。

検診ではメタボ状態になっていないかを調べ、数値が高い場合は保健指導や精密検査を受けて改善しましょうと促されることになるわけですが、精密検査を受けるおカネも仕事を休むヒマもないサラリーマンに、病院に行きなさい、指導を受けなさいと言っても腰があがるわけもなく。目に見える血圧の上昇ですら「まあ以前より少し高めかも」ですませるのに、目に見えない体内の「脂質異常」のために改めて病院に行く人は、果たしてどのくらいいるのか。

厚生労働省の調査(平成27年度)(https://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/info03_h25.html)を見ると、指導を受けたのは対象者のうち17%程度。

まあそんなものだろうと思います。

でももう一度いいますが、メタボは危険な状態なのです。

メタボになると、何がいけない?

前記の通り、メタボとはつまり、内臓脂肪が蓄積して高血圧・高血糖・脂質異常症などを併発している、とても危険な状態なのです。

現在、日本人の3大死因はガン、心臓病、肺炎ですが、少し前までは肺炎ではなく脳卒中でした。これらのうち心臓病と脳卒中の原因の主なものは動脈硬化といわれ、メタボが深く、深く関係しています。

動脈硬化については別記事で詳しく述べるとして、要するに血液が流れる管の壁(3層になっている一番内側)に脂肪がたまって壁を押しやり、管を狭くしてしまいます。さらに血液の中のコレステロールのバランスが悪くなると、血液の中の脂が多くなりドロドロ状態になるわけです。壁が迫って狭い管を、ドロドロのものが頑張って通過しようとしてもスムーズに通れないですよね。大型連休の高速道路の料金所を思い浮かべてください。あれです。溜まっていますね。それが血管のなかでも起こっているわけです。

こんなイメージです。

血液が流れず血管をふさいで塊になっているのが血栓です。血が流れないと大事な酸素が行きわたらないし、血栓が壊れて血が流れない限り血管はもう使われなくなって壊れるだろうし、塊が運よく流れても、塊のまま心臓や脳の細い血管に行ったら、そっちの血管が詰まって酸素の供給が止まってしまうーー危険な状態がイメージできましたか?

メタボは、こういう危険な状態になりやすいのです。

ドロドロの血液と、狭くなった血管。これらの原因は「脂」です。体内の余分な脂は、多くの場合、生活習慣により増えています。なのでメタボが進んで起こる動脈硬化や心疾患、糖尿病などの病気は「生活習慣病」と言われます。最近は胃がんのリスクもあるそうです。

メタボの基準

では、具体的にメタボと判断される基準を見てみましょう。

検診の結果で内臓脂肪型肥満度、高血糖、高血圧、脂質異常の4つの数値を見ます。

肥満(内臓脂肪型)

内臓に脂肪がたまってくると下腹が出てくるので、見た目から「リンゴ型肥満」とも呼ばれます。中高年の男性や閉経後の女性に多く見られます。そのため、検診では腹囲を測ります。

そして体重と身長から導き出したBMIの数値も参照します。

腹囲 男性 85cm以上  女性 90cm以上
BMI 25以上  ※BMI=体重(㎏)÷{身長(m)×身長(m)}

一般的に女性の方が小さいのに、男性より腹囲の基準が緩いのはなぜでしょうね。それは、内臓脂肪の面積が100㎠以上がメタボで、そのときの腹囲が男性は85cm以上、女性は90cm以上だからだそうですが、最近はそんなことないだろうと、数値を変更する動きもあるようです。

脂質異常症

血液中に含まれる脂質が異常に多いか少ない状態をいいます。メタボは、

中性脂肪 150mg/dl以上
HDLコレステロール 40mg/dl

です。

ちなみにLDLコレステロールの値が高いと心血管疾患の危険があり、一番注目すべき値。

総コレステロール値が高いのは生活習慣によって起こる脂質異常、HDLコレステロールが低いと女性は心血管疾患の危険があり、トリグリセリド値が高いのは内臓脂肪型肥満です。

高血圧

正常範囲よりも高い状態で血圧が維持されている状態をいいます。

血圧は1日のうち、測る時間によって変わりますので、できるだけ毎日、一番落ち着いている同じ時間に測ると比較しやすいですね。

メタボは、

上(収縮期) 130mmHg以上
下(拡張期) 85mmHg以上

です。けっこう基準が厳しいですね。血圧の高低はあまり自覚がないし、これ以上高いと心疾患の危険が高くなるので厳しいのでしょう。

高血糖

血液中のブドウ糖(グルコース)の量が多い状態を高血糖といいます。正常な状態だと、空腹時に血中の糖の値が下がり、食後に上がります。空腹時も値が高い状態が続くのは慢性高血糖症といい、糖尿病や高血圧症、動脈硬化などを引き起こします。

メタボの基準は、

空腹時の血糖値 110mg/dl 以上(またはHbA1cが5.2%以上)

自覚症状として、のどが渇く、尿量や回数が多い、だるい、疲れやすい、眠い、などあるようです。

糖尿病になると色々な器官が不全になるので気をつけたいものです。

腹囲+上記2つ以上が該当するとメタボとなり、指導を受けて改善をはかったり、あるいは治療したりするわけです。腹囲+1つだとメタボ予備群です。

年をとって贅肉がついてお腹が出てきたから痩せなくちゃ、ぐらいは誰でも考えると思います。また健康診断前にはなるべく食事やお酒を控えて体重を減らそうとしたりしますが、一夜漬けで身体の中まではキレイにならない年齢になってきているのですね。若い頃は何を食べても、運動をしていなくても、検査の数値は悪くなかったのですから! 中高年になると、数値が「もう若くはないんだよ」と無言の圧力をかけてきます・・・

寿命が延びているいま、健康寿命も延びないと、シニアライフをエンジョイしようと思っていても、介護や病院のお世話になるハメに陥るし、お金もかかります。

いつまでも好きなことをして生きていくために、自分の健康を気遣い、最低でもメタボにならないように、あるいはメタボを改善するように努力しましょう。

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